白熱するユーロの裏側。注意喚起はあったものの観客数100%のブダペストでは何が起きていたか (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Reuters/AFLO

◆ポルトガルのユーロ敗因はロナウドか。36歳の絶対的エースをどう向き合うべきか

 ポルトガルとフランスからのサポーターも目立ったが、やはり多いのは地元ハンガリーの観客。試合当日は気温が36度にまで上がり、上半身裸になり、大声で声援する人が増えていく。さらにこのスタジアムではアルコール類も販売されていたこともあって、場内の興奮度は時間とともに恐ろしいほど上がっていった。ちなみに、場内がもっとも盛り上がったのは、ミュンヘンで同時刻に行なわれているドイツ対ハンガリー戦で、ハンガリーが得点を挙げた時だった。

 各スタジアムでは、決勝トーナメントに入ってから観客数の拡大を認めるところも増えている。グループリーグは定員の25%までの観客でスタートしたロンドンのウェンブリースタジアムだが、準決勝と決勝の3試合は定員の75%まで入ることが認められ、いずれも6万人以上が観戦に訪れる見込みだという。

 スタジアムの観客の声援が選手たちを鼓舞し、試合を白熱したものにしているのは確か。ユーロでサッカーを観戦する楽しみは復活した。だが、場外ではまだ懸念する声が絶えない。開催地のひとつロシアのサンクトペテルブルクでは、訪れたフィンランドのサポーターに数百人レベルのクラスターが発生したと報道されている。完全に安心して観戦できる状況にはまだ程遠い、ということは明らかだ。

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