ネイマールも無事に登場。大迷走と大混乱の末にコパ・アメリカが開幕 (3ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • photo by Reuters/AFLO

◆ロナウジーニョはコロナで母を失い体調が心配。2002年英雄たちのいま

 これらの逆風に対し、ボルソナロ大統領は、「コパ・リベルタドーレスもコパ・スダメリカーナもW杯予選も行なわれているのに、コパ・アメリカだけが危険というのは馬鹿げている」と一蹴。またCONMEBOLは、SNSで、「なぜ開催するのか?」という疑問に答える形で、「2002年大会のブラジル以来、南米の国はW杯で優勝していない。今年、ユーロが開催されるのにコパ・アメリカを行なわないと、ヨーロッパとの差がさらに開いてしまう」と、大会の必要性を訴えた。

 ブラジルサッカー連盟が、代表のボイコットに備えてチッチ監督の後任を調整していることをちらつかせたこともあり、6月8日に行なわれたW杯予選のパラグアイ戦後、ブラジル代表はコパ・アメリカに参加することを共同声明で発表する。ただし、この時期に大会を強行することへの批判を明言した。そして10日には最高裁で差し止め請求が却下されると、開幕が正式に決まった。

 13日の開幕戦はブラジル対ベネズエラ。ベネズエラ代表は試合前日の検査で12人のコロナ陽性が判明。さらに増える可能性もあり、母国から16人が追加召集された。今大会の登録選手は28人だが、特例で追加登録が可能となっている。ベネズエラは6月8日、W杯南米予選でウルグアイと引き分けているが、そのときのスタメンでコパ・アメリカ開幕戦のキックオフに臨んだのは3人だけだった。

 試合は5-4-1の超守備的布陣のベネズエラに、ブラジルが常に主導権を握り、23分にネイマールのCKからマルキーニョスが先制。64分にネイマールのPK、89分にはネイマールのクロスをガブリエル・バルボーサが決めて無難な門出を飾った。だが、大会がこのまま決勝まで無事に進んでいくのか、予断を許さない状況が続く。
 
 

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