岡崎慎司が欧州挑戦を継続する理由。辞めどきと指導者への興味も語る (2ページ目)

  • 粂田孝明●取材・文 text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 ただ間違ってほしくないのは、日本のレベルが低いからという意味ではありません。Jリーグはヨーロッパよりもレベルが高い部分もあります。そこに合わせるのは簡単なことではないです。「たいして俺はできないぞ」なんて気持ちもあるので。それに、みんなが思っているほど海外にとどまることは、かっこいいことではないんですよ。

――1年ほど前にはイタリアでもやってみたいという思いをお持ちでしたが、今はどうでしょうか。

 一番行きたいところはやはり4つめのリーグということでイタリアですね。ただそうも言っていられないこともわかっています。自分のやれる場所があるのであれば、そこでもう一回やっていきます。

 でも1部でやりたいなという気持ちはあります。イタリアであろうが、スペインであろうが、イングランド、ドイツでも、話があれば全力で決めに行くだけですね。

――1年の重みは年を追うごとに変化してきていますか。

 そうですね。家族のことも考えます。子供が中学生と小学校の高学年になるんですが、引っ越しで環境が変わってしまうと、そこに慣れるのに大変な年齢になってきました。自分の移籍が家族の問題に直結してしまうんです。

 だから家族は「どこに行くの?」と心配しています。でも「この結果じゃ行きたいところに行けないよ」と、正直に話しています。

――最近は指導者の本も読まれているそうですが、それはどんなきっかけからでしょうか。

 これまでいろんなタイプの監督に会ってきました。監督と選手ってお互いの意見が合わないことがよくあります。選手として疑問に思うことは、監督になればわかるんだろうなと思っていました。それを知りたかったんです。自分が監督だったらどうするだろうと。

 選手は監督によって、よくなったり、大きく成長したりしますし、その逆もあります。そう思うと、監督の仕事がすごく魅力的に感じるし、それだけの責任もあるなと思います。選手としての経験や苦しみもすべて味わった中で、これまで培ってきた経験から一つ一つ決断していく。指導者になったら、そこに全力を注いでいけるかなと思います。だから指導者への興味はありますし、次の舞台は監督だなと思います。

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