ロナウジーニョはコロナで母を失い体調が心配。2002年英雄たちのいま (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

◆ミラン黄金期を築いたオランダトリオ。その後は3者3様も監督では大成せず

 さて、本来ならここでロナウジーニョも紹介すべきだが、彼についてはこれまですでに何度も触れているので、ここでは「その後」の様子だけご報告しよう。

 2019年3月、パラグアイで、偽のパスポート及び身分証明書を使用したことで兄と共に逮捕されたロナウジーニョは、4カ月近く拘束された後、8月に釈放され、ブラジルに帰国した。しかし、その後はまるで何もなかったかのように、自身をイメージしたワインを発売したり、音楽レーベルを作ったりとまた人生を楽しんでいた。

 しかし今年2月、彼を悲劇が襲う。母親を新型コロナウイルス感染による合併症で亡くしたのだ。ショックを受けたロナウジーニョは、今は親しい友人たちとも連絡を断ち、お城のような豪邸にこもり、朝から酒浸りの日々を過ごしている。彼の今後が心配である。

 その他の2002年W杯で活躍した選手についても、ひと言だけその現状をお伝えしよう。

 GKマルコス。現役引退後はサッカー界を離れ、飲食業界に参入。ビール醸造会社の共同経営者であり、シュラスコ(ブラジルの肉料理)用の肉のブランドも持っている。DFのルシオはグローボTVのコメンテーター。バルセロナなどでプレーしたエジミウソンはフットボールクラブSKAブラジルの会長。このチームは2年前、日本企業の投資によって助けられたことで知られる。

 アーセナルでも活躍したMFジウベルト・シウバは若いスポーツ選手のマネジメント会社を経営。ジュニーニョ・パウリスタは2019年7月にブラジルサッカー協会に入り、現在は代表チームのテクニカルコーディネーターの責任者である。サンパウロの郊外にビアホールを持ち、街の中心部で有名なピザレストラン「ピッツェリア・パウリスタ10」を経営している。

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