2021.05.21

CL決勝の注目選手。チェルシーのカギを握るMFマウントは香川真司似

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

 フィテッセに貸し出されたマウントは29試合に出場、9得点。クラブのMVPに選出される活躍をみせた。英語が通じるオランダとはいえ外国でのプレーは何かと勝手が違うものだが、苦労したのは最初だけで楽々とハードルを乗り越えている。

 次のシーズンは、イングランドのチャンピオンシップ(実質2部)に所属するダービー・カウンティに貸し出される。ここでは3日に1試合の過密日程を乗り切って35試合に出場。19年、チェルシーのトップチームに合流することになった。

 マウントは幼少のころからプロになると目標を定め、睡眠時間を確保するためにパーティーへの誘いを一切断っていたという。ストイックな自己管理は父親の影響もあっただろうが、「飛び級」が関係しているのではないか。

 成長過程で常に上の年代のチームでプレーしていた。当然、体力的なハンデはあったはずだ。現在でも178cm、70kgと標準的な体型。早熟型でもなかった。4歳から年上とプレーしていたのだから、お山の大将になれる状況ではなかったと思う。

 チェルシーでもイングランド代表でもアンダー世代は「黄金世代」で、優れたチームメートに囲まれていたのも油断や慢心をうまなかった要因だろう。

 かつてチェルシーはイングランドでいち早くアカデミーを立ち上げ、ジミー・グリーブスなど、史上最年少のアタックラインを形成して話題になったことがある。時を経て、今ではビッグクラブの仲間入りを果たし、外国籍のスタープレーヤーがポジションを占めている。そんななか、生え抜きのマウントはファンにとっても特別な存在だ。

 チャンピオンズリーグ決勝で、カギを握る選手でもある。

関連記事