乾貴士、武藤嘉紀所属のエイバルの降格要因は? 小さな町の夢にサヨナラ (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 乾に至っては、バレンシア戦はベンチのままで90分間を過ごしている。直近6試合で出場時間はアラベス戦の8分間のみ。正念場で指揮官の信用を失った。今シーズン前半、若手ブライアン・ヒルに左アタッカーのポジションを奪われながら、トップ下、右サイド、ゼロトップなどで起用されてきたが、得点に絡むプレーが少なく、次第に出場時間を減らしていった。

 日本人2人は地元で期待されていただけに、降格の責任は免れない。2人の去就は不明だが、出直しスタートになるだろう。あるいは、年俸を大幅に下げてでもエイバルの1部復帰に心血を注ぐのは選択肢のひとつだが......。

 いずれにせよメンディリバルの続投はないと言われる。降格とは関係ない。それは決定事項だったようで、ひとつのサイクルの終焉だ。

 繰り返すが、エイバルが7シーズン連続で1部にいたこと自体、祝祭に近い。いつ終わっても不思議ではなかった。

「エイバル、夢にサヨナラ」

 スペイン大手スポーツ紙『マルカ』の見出しは、やけにしっくりくる。5月22日の最終節。エイバルはイプルアにバルセロナを迎える。最後の宴だ。

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