アトレティコ、レアル、バルサの三つ巴。最終局面のリーガの行方を占う

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 勝ち点76で3位のバルセロナは、開幕前からリオネル・メッシ(アルゼンチン)の退団騒動やクラブとの確執、スアレス、イバン・ラキティッチ(クロアチア/セビージャ)の放出など、ゴタゴタつづきのなかシーズンをスタート。10月には諸悪の根源とされていたジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が辞任し、3月にジョアン・ラポルタ新会長が就任している。

 ロナルド・クーマン新監督はペドリ(スペイン)、ミラレム・ピャニッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、セルジーニョ・デスト(アメリカ)などを新戦力に加え、開幕からチームに合ったシステムを試行錯誤したが、過密日程により負傷者が続出。ジェラール・ピケ、セルジ・ロベルト、アンス・ファティ(以上スペイン)、フィリペ・コウチーニョ(ブラジル)が次々と離脱した。

 シーズン序盤は4-2-3-1で戦うも成果を得られず、途中から4-3-3に切り替えて勝ち星を積み重ねる。しかし2月にホームで行なわれたCLラウンド16第1戦のパリ・サンジェルマン戦で1-4の惨敗。このシステムの限界が見られた後、クーマン監督は新たに3バックを導入する。フレンキー・デ・ヨング(オランダ)をリベロに配置し、デストとジョルディ・アルバ(スペイン)のウイングバックが機能。セルヒオ・ブスケツ(スペイン)も復調し、メッシやウスマン・デンベレ(フランス)が前線でスペースを得て動き回った。このシステムにより、クーマン監督の手腕がスペイン各紙でも高く評価されるようになった。

 チームはそれ以降の公式戦7試合を6勝1分0敗と好調を維持。その間、パリ・サンジェルマン相手にCLで敗退したものの、敵地でのラウンド16第2戦に1-1で引き分けた結果は手応えを感じさせ、リーガでアトレティコとの勝ち点差を一気に詰めていく。クラシコでレアルに黒星をつけられ、連続無敗数が7でストップするも、国王杯ではビルバオ相手に優勝を飾り、今季初タイトルを獲得している。

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