アトレティコ、レアル、バルサの三つ巴。最終局面のリーガの行方を占う (2ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 一方、昨季クラブの史上最高額の移籍金1億2720万ユーロ(約165億3600万円)で入団したジョアン・フェリックス(ポルトガル)は、今季も期待に応えられていない。最終局面のここ4試合、すべてベンチスタートで無得点がつづく。またサウール・ニゲス(スペイン)は最近復調し始めたとはいえ、先発出場が減ったことは不安材料の一つだろう。

 勝ち点78で2位につけるレアルは、ここまでの負傷者人数が延べ59で今季のリーガ最多。スペイン・スーパーカップでは準決勝でビルバオに、国王杯では初戦で3部のアルコジャノに敗れて早々に2タイトルを失い、ジネディーヌ・ジダン監督解任報道まで出ている。

 ジダン監督は4バックと3バックを併用し、ルーカス・バスケスやナチョ・フェルナンデス(以上スペイン)、最近ではエデル・ミリトン(ブラジル)、アルバロ・オドリオソラ(スペイン)やカスティージャ(Bチーム)の選手たちで欠場者の穴をうまく埋めた。

 そして、フェルラン・メンディ(フランス)、ルカ・モドリッチ(クロアチア)、カゼミーロ(ブラジル)、トニ・クロース(ドイツ)、カリム・ベンゼマ(フランス)、ヴィニシウス(ブラジル)を軸に戦い、チームの立て直しに成功。ティボー・クルトワ(ベルギー)の数々のスーパーセーブもあり、1月30日のレバンテ戦敗北後、CLではアタランタ、リバプールを立てつづけに撃破して準決勝まで辿り着き、公式戦19試合無敗を記録した。

 しかし、ケガによる欠場者続出で疲弊し切ったチームは、スーパーリーグ創設プロジェクト発表後のUEFA(欧州サッカー連盟)からの激しいプレッシャーも影響したのか、アウェーで行なわれたCL準決勝第2戦でチェルシーに完敗。3季ぶりの決勝進出の道が途絶えた。それでもリーガでは16戦無敗(11勝5分)をキープし、首位アトレティコと勝ち点2差の2位。優勝の可能性を残している。

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