メッシの行方、ビッグクラブ経営危機...欧州サッカー界の今季10大ニュース (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFP/AFLO

3位:ディエゴ・マラドーナ氏の逝去

 サッカー界のレジェンド中のレジェンド、ディエゴ・アルマンド・マラドーナ氏の訃報は、世界中のファン、関係者に衝撃を与えた大きなニュースだった。

他界前には、硬膜下血腫を摘出する手術から順調に回復していることが報じられていたマラドーナ氏だったが、2020年11月25日に容態が急変。帰らぬ人となってしまった。ヨーロッパサッカー界に与えたインパクトも計り知れないものがあり、さっそくその夜に行なわれたチャンピオンズリーグのキックオフ前には各会場で黙とうが捧げられた。

死因は心臓発作と発表されているが、その後、処置に当たっていた医療チームが捜査対象となるなど、真相はいまだはっきりしていない。先月末には、死因究明と過失の有無を捜査するために、アルゼンチン検察によって招集された医療委員会が、医療チームの不備などを指摘する調査報告書を公表。捜査次第では、過失致死として裁判に発展する可能性もある。遺産相続問題なども含めて、今後もマラドーナ氏を巡る報道が続きそうだ。

2位:リオネル・メッシのバルセロナ退団騒動

 今シーズン開幕前に話題を独占したリオネル・メッシのバルセロナ退団騒動も、今シーズンの代表的ニュースとして挙げられる。

 13歳の時にバルセロナの下部組織に入団して以来、バルサひと筋を貫いてきたサッカー界の至宝が、クラブに対して一方的に契約解除の意向を通達したのは2020年8月25日のこと。以降、移籍先などメッシの去就にさまざまな憶測が飛び交い、サッカー界全体を揺るがす一大騒動となった。

結局、9月4日にメッシが残留を表明したことで一時的に事態は収束に向かったが、当時のジョゼップ・マリア・バルトメウ会長を中心とするフロントに対するメッシの不信感が公になったことが影響し、批判にさらされたバルトメウ会長は辞任を決断。一方で、今夏に契約満了を迎えるメッシが来シーズン以降もバルセロナでプレーするかどうかはまだ決定しておらず、今シーズン終了後には、再びメッシの動向が注目を集めることになるはずだ。

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