メッシの行方、ビッグクラブ経営危機...欧州サッカー界の今季10大ニュース (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFP/AFLO

5位:レヴァンドフスキがMVPをダブル受賞

 バイエルンでプレーするポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキがFIFAとUEFAの年間MVP個人賞をダブル受賞した。

 今シーズンもブンデスリーガ得点王の座をほぼ手中にしているレヴァンドフスキは、UEFAが選出する2019-2020シーズンのヨーロッパ最優秀選手賞に選出されると、その約2カ月後にはFIFAの年間表彰式「ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ」で男子の年間最優秀選手賞を受賞。残念ながら、昨年はコロナ禍によりバロンドールの開催が見送られたが、それ以外の代表的な個人賞はレヴァンドフスキが独り占めした格好だ。

 チャンピオンズリーグ、ブンデスリーガ、ドイツカップの三冠を達成した他、チャンピオンズリーグとブンデスリーガの得点王も獲得したレヴァンドフスキ。まさしく、2020年を代表するプレーヤーだったと言っていいだろう。

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4位:ビッグクラブがコロナ禍により軒並み財政難に

 コロナ禍の影響による各クラブの財政難は、今シーズンの見逃せないトピックスと言えるだろう。いくつかのクラブは前年度の収支状況を発表しており、軒並み大赤字に陥っていることが明らかになっている。

 とりわけ注目を集めているのが、ビッグクラブの財務状況だ。たとえば、バルセロナは約2億ユーロ(約250億円)の減収となり、9700万ユーロ(約120億円)の赤字。マンチェスター・シティは、全体の収入が11%減となって2019-2020シーズンは1億2600万ポンド(約191億5000万円)の赤字を計上。同じくリバプールも、同シーズンの税引き前損失が4600万ポンド(約69億5000万円)と発表。前年度の4200万ポンド(約63億5000万円)の黒字から一転、赤字となった。

 また、ユベントスが今シーズンの上半期の決算で1億1300万ユーロ(約145億5400万円)の赤字を報告するなど、昨シーズンから続くヨーロッパサッカーの大不況は出口の見えない状況が続いている。もちろん、中小のクラブの多くも苦しい財政を強いられており、来シーズンも赤字クラブの増加傾向は変わりそうにない。

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