2021.05.07

リヤド・マフレズ活躍の理由。ルーツはマグレブ、ストリートサッカー出身

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

◆メッシと同種の能力。ペップがシティのフォーデンに固執する理由>>

 レスターの最初の監督だったナイジェル・ピアソンは父親のような存在だったという。ピアソンの後任となったクラウディオ・ラニエリはイタリア風の守備戦術を持ち込んだ。ラニエリ監督はマフレズに攻撃の自由を与えるとともに、「攻撃的かつ守備的にプレーしろ」と指示を与えている。ストリートの技術や感性だけでなく、よりプロフェッショナルな完成品に仕上げた。

<左で脅して右で仕留める>

 18年に加入したマンチェスター・シティで、マフレズは数少ない専業プレーヤーだ。

 5つのレーンを自在に動くチームメートたちと違い、マフレズは常に右のいちばん外のレーンでプレーする。ここでも異質な存在なのだ。

 1対1で仕掛けてチャンスをつくり、得点を生み出す。オールラウンダーたちのなかで、スペシャリストとしての価値を認められている。

 左足のタッチは独特、インサイドなのかアウトサイドなのか触る直前まで判別がつかない。シザーズの柔らかさ、切り返しの大きさとバランスの良さは、いかにもウイングプレーヤーである。

 左利きの右サイド。逆足のタイプでカットインからの左足のシュートが十八番だが、意外と右足のゴールも多い。完全な左利きと見せておいて、左のキックフェイントで裏返して右足というパターンだ。

 左が強力だからこそだが、左で脅して右でフィニッシュがうまい。1対1は心理戦の要素も大きく、このあたりの相手を手玉にとるセンスはストリート出身らしい。

 チャンピオンズリーグ準決勝、パリ・サンジェルマンとの第2戦では、シティを初の決勝へ導く2ゴールを決めた。右足で1点、左足で1点。ある意味、マフレズらしいバランスである。

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