リヤド・マフレズ活躍の理由。ルーツはマグレブ、ストリートサッカー出身 (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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 マグレブらしくテクニック抜群のマフレズは、地元のAASサルセルのユースで頭角を表し、カンペールというクラブと18歳でプロ契約する。1年後には2部リーグのル・アーブルへ移籍。当時、パリ・サンジェルマンやマルセイユからも声を掛けられていたのに、フランス最古のクラブで知られるル・アーブルを選んだ理由は、「ユースチームが良かったから」だそうだ。

 U-21のチームで1シーズン、その後トップに昇格している。マフレズは「良い選択だった」と振り返る。技術は優れていたが体は細く、カンペール時代の監督からは「コンタクトするな」と言われていた。フランスの下部リーグはリーグ・アンとは別世界で、極めてフィジカルなゲームが行なわれている。本人も適応期間が必要だと思っていたのだろう。けっこう堅実なのだ。

 ル・アーブルでの活躍から、イングランドのレスターへ移籍したのは2014年だった。

<雑草軍団レスターでの快挙>

「イングランドへ行くとは考えていなかった。あまりにもフィジカルだから向かない、スペインのほうが合うと、みんなにも言われていた」(マフレズ)

 しかし、レスターへの移籍は大正解だった。チャンピオンシップ(2部相当)では連戦連勝、それがアルジェリア代表への道を拓いた。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(当時)はぎりぎりの段階でマフレズを招集し、ブラジルW杯の初戦ベルギー戦でプレーした。

 プレミアリーグに昇格したレスターは2015-16シーズンに奇跡の優勝を果たす。マフレズは17ゴール、10アシストでPFA(プロフェッショナル・フットボーラーズ・アソシエーション)年間最優秀選手に選ばれた。ジェイミー・バーディー(元イングランド代表)、エンゴロ・カンテ(フランス代表、現チェルシー)など雑草軍団の快挙だった。

「俺たちはプログラムされていないからね」(マフレズ)

 アカデミー出身のエリートと違い、日常生活から管理されてなどいなかった。ストリートサッカーのようなプレーをするマフレズは異質だったが、そうした様々な個性が融合していたのがレスターの面白さでもあったわけだ。

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