レアルのCL完敗は必然だ。時代の変遷を感じさせる決勝プレミア対決

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 両監督はこの試合にどんなメンバーを送るか。余裕があるのはプレミア優勝に早くも王手をかけているマンチェスター・シティだ。対するチェルシーは現在4位。来季のCL出場枠をウエストハム等と争っている。この関係が29日の決勝にも、勝敗のあやとなって現れるのか。

 ブックメーカー各社の予想では、マンチェスター・シティ優位が支配的だ。最大手のひとつウィリアムヒル社は、マンチェスター・シティ優勝に1.44倍、チェルシー優勝に2.62倍を付けている。

 グアルディオラにとっては、まさに負けられない戦いだ。決勝進出は2011年にウェンブリーで行なわれたバルサ対マンチェスター・ユナイテッド戦以来、10年ぶりとなる。バルサで欧州一に輝いた時にはメッシがいた。スーパースター依存型のチームとまでは言わないが、メッシがいなくても優勝できたかといえば、難しかったと言えるのではないか。

 バルセロナのベテラン記者は、当時こう言ったものだ。「グアルディオラは、バルサ以外のチームをCL優勝に導いてこそ、一流監督、名将の域に達する」と。

 バイエルン時代は欧州一になれなかった。本命と言われながら、準決勝で敗れること3度。例のベテラン記者の基準では、いまだ名将にあらず、だ。準決勝の壁をクリアした今回は、うるさ型も認める文句なしの名将になれるか、目を凝らしたい。

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