元神戸監督は、CL決勝進出のマンチェスター・シティに何を注入したのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

 マンチェスター・シティの選手たちは高い集中力を保ち、戦いの変化に適応していた。

「トレーニングによって、選手はガツガツできるようになる。練習から怖さを与えられる選手でなければならないし、それは大事だ」

 リージョはそう言いながら、こう続けた。

「ただし、フットボールでは"動けばいい"というものでもない。たとえば、いつもボールを獲ろうと、どれもこれも食いついていると、ほころびが出る。ポジションを守ることを覚えさせることによって、落ち着いてプレーできるようになる。ポジションの意識が高まったことで、正しいプレーやタイミングを覚え、攻守両面でレベルアップできる。その積み重ねによって、相手を凌駕できるんだ」

 PSG戦のマンチェスター・シティは、相手に応じて戦いを変化させていた。極めて効率的な勝利だった。戦う前に勝負は決まっていた。

 5月29日の決勝戦に向け、マンチェスター・シティはどんな準備をし、選手をどのように運用するのか。まさに1試合、1試合を戦うのみだ。

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