南野拓実、シーズン残り試合で爪痕を残せるか。現地記者がレポート (3ページ目)

  • トム・プレントキ●取材・文 text by Tom Prentki
  • translation by Igawa Yoichi

◆中田英寿を上回る天才に起きた悲劇。リーガに「ぶっとんだ自信」で挑んだ>>

「今週、チームで彼のポジションや成長について話し合った。それらはまったくもって、不満のないものだった。彼はこれまで、多くの出場時間を得ている。最近の数試合には出ていないが、(レスター戦を含めた)残り6試合には必ずチャンスが訪れるはずだ。良いトレーニングをしているし、着実にチームの一員になっている。プロフェッショナリズムと良いメンタリティを持ち、キャラクターも良い」

 この53歳のオーストリア人指揮官は、ドイツ系の指導者を中心に広がるプレッシング・フットボールの使い手で、ラルフ・ラングニック(現レッドブルのグローバルSD)直系の監督だ。南野はザルツブルク時代に、同系のマルコ・ローゼ、さらには先ごろハーゼンヒュットルの古巣ライプツィヒの新監督に決まったばかりのジェシー・マーシュの薫陶を受けている。そしてリバプールでは、ゲーゲンプレスの始祖ユルゲン・クロップの教えも経験しており、もとからハーゼンヒュットルの戦術には親しみがある。

 これについては、「(過去の所属先のプレースタイルとサウサンプトンのそれは)似たスタイルだと思います。もちろん、細かいところは違いますが、アグレッシブにボールを奪いにいく姿勢や、奪った瞬間にゴールへ直線的にプレーするところ、それらが練習メニューに落とし込まれているところなどは、似ていると思います」と語っている。だから、ハーゼンヒュットルが要求する激しいハイプレスや守備時のスプリントも、南野にとっては面食らうようなものではないはずだ。

 およそ1カ月半ぶりの公式戦となったレスター戦は、納得できるものではなかったかもしれないが、残りの5試合でまたチャンスは来るだろう。守備時のタスクをしっかりとこなし、ハイプレスでボールを奪ってから攻撃につなげ、南野の真価を発揮してほしい。

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