南野拓実、シーズン残り試合で爪痕を残せるか。現地記者がレポート (2ページ目)

  • トム・プレントキ●取材・文 text by Tom Prentki
  • translation by Igawa Yoichi

 ところが以降は、フラストレーションの溜まる日々がつづいている。チェルシー戦の3日後に行なわれたリーズ戦では後半から途中出場したものの不発に終わり、その後は1試合おきに先発して同様の結果に。チームはFAカップを勝ち進んでいたが、南野はリバプールで同大会に出場していたために出られず、リズムを取り戻す機会も少なかった。

 3月に日本代表での2試合を終えて戻ってきてからは、バーンリー戦、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦、トッテナム戦と3試合連続でベンチを温めている。先週末のレスター戦では久しぶりの先発にファンの期待も高まったが、開始10分にCBヤニック・ベステルゴーがレッドカードを受けて退場したこともあり(トラップミスしたボールに詰め寄ったジェイミー・バーディーのゴールチャンスを阻んだという判定は、厳しいものだった)、南野はより守備的にプレーせざるを得なかった。

 4-4-2の右MFで先発したが、仲間がひとり減ったことにより、中央寄りの低い位置を埋める場面が多くなった。チームのポゼッション率も低く、見せ場と言えるのは、序盤にハイプレスからボールを奪い、チェ・アダムスと連係し、ネイサン・テラのチャンスをつくったシーンくらい。守備面ではライトバックのカイル・ウォーカー=ピータースを手助けしたが、後半序盤にはルーク・トーマスへのファウルにより警告を受けている。

 サウサンプトンではここまで、7試合に出場(先発は6試合)し、2得点を記録。南野にとって不運だったのは、チームが不調に陥っている期間に入団したことだ。前半戦では上位につけていたチームが、後半戦では9試合連続で勝利に見放された。その只中に、南野はローンで加入したのだ。

 ラルフ・ハーゼンヒュットル監督は当初から「(南野の)クオリティーが好きだ」と話しており、その姿勢は変わっていないように見える。レスター戦の前日会見では、次のように語っている。

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