超人エムバペ。新世代のスーパースターは私生活も超優等生

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 今シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)で目下8ゴールを量産し、得点ランキング2位につけるパリ・サンジェルマン(PSG)のFWキリアン・エムバペ。

 そのセンセーショナルな活躍ぶりから、今では通算10ゴールでCL得点ランキングトップに立つドルトムントのFWアーリング・ブラウト・ハーランドとともに、「ロナウド&メッシ時代にピリオドを打った新世代のスーパースター」との呼び声がすっかり定着した。

数々の偉業を成し遂げてきたキリアン・エムバペ数々の偉業を成し遂げてきたキリアン・エムバペ 最近の現地メディアの報道でも、エムバペを形容する際によく使われた「将来を担う」「若い」「早熟」といったお馴染みの単語は、ほとんど見当たらない。世界屈指の大金を稼ぐひとりのスーパースターとして扱い、パフォーマンスが悪ければ容赦ない批判を浴びせるように変化した。もう、フランスの将来を担う若者を見守る温かさはなくなった。

 振り返れば、18歳で彗星のごとくCLの舞台に登場したエムバペが、22歳の現在に至るまでに成し遂げてきた数々の偉業は、長いサッカー史を紐解いてもなかなか類を見ない。

 2016−17シーズンのCLラウンド16、対マンチェスター・シティ戦。初めてヨーロッパの舞台に登場した当時モナコ所属のエムバペは、そのデビュー戦でCL初ゴールをマークすると、第2戦でもゴールを決めて逆転勝利に貢献する。

 以降、準々決勝のドルトムント戦で3ゴール、そして敗れはしたが準決勝のユベントス戦でも1ゴールと、6試合で6ゴールを量産。一躍、18歳のヤングスターとしてスポットライトを浴びた。

 そのシーズン、エムバペはモナコの通算8度目のリーグ優勝に貢献するとともに、リーグ・アン年間最優秀若手選手賞を受賞し、年間ベストイレブンにも選出された。さらにその夏には、買い取り条件付きでPSGにレンタル移籍。1年後の買い取り金額は、推定1億8000万ユーロ(約235億円)と値付けされた。

 ネイマールとのコンビで躍動した2017−18シーズンも、エムバペの勢いは止まらない。リーグ・アンでは年間13ゴール8アシストの活躍を見せて国内三冠の原動力となると、2年連続でリーグ・アン年間最優秀若手選手賞とベストイレブンを受賞。ラウンド16で敗退したCLでも4ゴール3アシストをマークした。

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