鎌田大地がさらに急成長。アシスト数ブンデス3位でCL出場も視野 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Reuters/AFLO

 ちなみにアシスト数だけを見ると、14アシストは現在リーグ3位。1位バイエルンのトーマス・ミュラー、2位のチームメイト、フィリップ・コスティッチの次につけている。この数字は、ブンデスでトップクラスのチャンスメーカーになったことを示している。

 もうひとつ特徴的なのは、ビッグクラブや上位チームとの対戦で結果を残していることだ。フランクフルトよりも順位が上の1位バイエルン、2位ライプツィヒ、3位ヴォルフスブルク、そしてひとつ下の5位ドルトムントからそれぞれ1得点。バイエルン戦、ヴォルフスブルク戦ではアシストもしている。アディ・ヒュッター監督は「こういうビッグクラブ相手の時には、最後の数パーセントはモチベーションによって決まるのだろう」と、鎌田の高いモチベーションを称えている。

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 これまで鎌田は、好不調の波がある選手だと思われていたきらいがある。2月、ホッフェンハイムに3-1で勝利した翌日の『ビルト』紙は、この試合での鎌田のプレーを高く評価しつつ「鎌田ほどファンを二分する選手はいない」と表現していた。つまり、優れたパスセンスなどすばらしいプレーする一方で、存在感が消える試合ではまったくといっていいほど消えてしまうというのだ。

 それでも最近は、たとえ目立った活躍ができなかった試合でも、ピッチで必要とされる守備や力強さへの高い評価が聞こえてくるようになった。そのホッフェンハイム戦で鎌田が「力強く守備をし、走った」と言うのは、フランクフルトのブルーノ・ヒュブナーSD(スポーツディレクター)だ。

 また1ゴール1アシストした4月ヴォルフススブルク戦後、ヒュッター監督は「彼は最高だった。得点したから、というだけではない。ボールを奪い得点につなげた。ボールのあるなしにかかわらず、走ることをいとわない。彼のパフォーマンスには100パーセント満足している」と、称賛した。パスやシュート以外の仕事でも、信頼を勝ち取っていったのだ。

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