2021.05.01

「勝てるGK」ケイロル・ナバス、驚きのタイトル数。乗り越えた試練も多数

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

◆ビッグセーブ連発のなぜ。アトレティコのオブラクが世界最高GKの理由>>

<ポジションを獲って譲らない>

 2018-19シーズン、クルトワがレアル・マドリードに加入する。デ・ヘアのケースとは違って、クルトワは無事にレアルにやって来た。

 フレン・ロペテギ監督はリーグ戦ではクルトワ、カップ戦にナバスを起用した。甲乙つけがたいGKがいる場合、こうした起用はよく行なわれる。一方、ロペテギ監督が解任されたあとに就任したサンティアゴ・ソラーリ監督は、リーグもカップもクルトワを起用した。

 3月にジネディーヌ・ジダン監督が就任すると、ナバスは正GKになっている。クルトワの負傷もあったのだが、監督の考え方1つでGKはポジションを失うし、負傷すれば当然交代は起こる。実力が接近しているGKが2人いる場合、片方が定着するとポジションを奪うのは容易ではない。

 このシーズンが終わると、ナバスはパリ・サンジェルマンへ移籍した。パリSGのアルフォンス・アレオラ(現フラム)との交換トレードだ。世界最高クラスのGK2人は、レアルのようなスター軍団でもやはり贅沢すぎたわけだ。

 コスタリカの名門デポルティーボ・サプリサでデビューし、10年にスペインのアルバセーテへ移籍した当初、ナバスは第2GKだった。レバンテでも最初は控えである。レアルでもそうだった。ただ、一度ポジションを獲れば譲ることがなかった。

 14年、ナバスはコスタリカで初めてのCONCACAF年間最優秀選手賞を受賞している。GKとしても初の受賞。しかも17年にもう一度受賞した。2017-18シーズンはUEFAのベストGKにも選出された。

 GKは孤独なポジションではあるけれども、1人でチームを勝たせることもできる。1回の決定機の阻止は、1ゴール決めるのと同じ価値があるのだ。コスタリカ代表では毎試合ハットトリック同然の活躍だったから、CONCACAFでの受賞も頷ける。

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