2021.04.04

周りにスターが集まる男。ベルナルド・シウバは抜群の技術でボールをつなぐ

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

<豊富な運動量があり、判断力に優れる>

 ポルトガルの名門ベンフィカの育成組織から19歳でトップに昇格。ベンフィカBとの掛け持ちで、トップチームでは1試合に出場しただけ。次のシーズンにはフランスのモナコに移籍した。

 移籍した2014-15シーズンではチャンピオンズリーグ(CL)のベスト8進出に貢献。2016-17シーズンはCLベスト4、リーグアン優勝の原動力となった。この時代のモナコには、ベテランのラダメル・ファルカオ(コロンビア)のほか、10代だったキリアン・エムバペ(フランス)をはじめ、ティエムエ・バカヨコ、トマ・ルマール(以上フランス)、ファビーニョ(ブラジル)と、のちに飛躍する錚々たる顔ぶれだった。

 ベルナルド・シウバは主に4-4-2の右サイドハーフでプレーしている。左足アウトの深い切り返しから、間髪入れぬパスでファルカオやエムバペに決定的なパスを供給した。カットインからのミドルシュートが得意でよく点もとっていたが、パスもシュートもほぼフォームは変わらない。体とボールの関係は一定だった。

 2017-18シーズンにマンチェスター・シティに移籍。左右のウイング、インサイドハーフ、センターフォワードでもプレーしている。ただ、どのポジションでもプレーぶりはほとんど、というかまったく変わらない。いつものベルナルド・シウバがそこにいるだけだ。

 シティにはベルナルド・シウバと似たタイプが多い。イルカイ・ギュンドアン(ドイツ)、ケビン・デ・ブライネ(ベルギー)、フィル・フォーデン(イングランド)、ジョアン・カンセロ(ポルトガル)も複数のポジションでプレーできる。運動量が豊富で判断力に優れている。

 ただ、そのなかでもベルナルド・シウバはボールキープ力が高い。ポジション移動を繰り返す仲間たちのなかで、ときどき交通整理をやっている。フィールド上がカオスになりかけると、ベルナルド・シウバが介入してきてキープし、時間をつくって、ポジションの重複などを修正するのだ。