「偽SB」「偽9番」サッカーの戦術は背景を考えるともっと面白くなる (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

◆グアルディオラ戦術の重要人物。ジョアン・カンセロのマルチぶりがすごい>>

 ちなみに、グアルディオラ監督はどんなチームを率いても常に同じ戦い方にならないのがすごいところだ。バルセロナではバルセロナの、バイエルンではバイエルンの、そして、現在のマンチェスター・シティではマンチェスター・シティの、それぞれのチームに適切な戦術をつくりあげている。

 それは、勝利のための最適解はひとつではなく、自らが率いるチームの選手の特徴と対戦相手との兼ね合いで変化するものだと理解しているからだろう。だからこそ、固定概念にとらわれず、「勝利するため」の手法を生み出せるのだと思う。

 それだけに、日本のサッカー界も固定観念にとらわれず、「どうしたら勝てるのか?」を突き詰めていくのが、世界のトップに近づく方法だと思う。「グアルディオラがやっているから」ではなく、なぜその対策を取っているのかを十分に理解したうえでサッカーを見るとさらに面白くなる。

 そのプレーはどこに狙いがあって、何のために行なわれているのかを理解して、その背景まで考えるようにすれば、サッカー観戦がもっと楽しくなるはずだ。

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