『鬼滅の刃』とサッカーの共通性は育成にも。カンテラの意味は石切り場 (4ページ目)

◆『鬼滅の刃』のお館様のような、特別な言葉を持つサッカー監督は誰か>>

倉敷 15か16歳で大きな人生の岐路があるわけですね。気になるのはテストに不合格になってしまった子どもたちです。鬼殺隊の組織図は、まず当主、そして柱がいて、柱の弟子にあたる継子と10段階にランク分けされた鬼殺隊員がいます。そしてそのほかに剣術の才に恵まれなかった人たちが鬼殺隊の事後処理を担当する「隠」として働いていたり、小さな女の子たちが蝶屋敷で働いていたりします。現場で直接に鬼と戦えない人たちもフォローできている組織です。刀鍛冶の里もありますからいろいろな才能で成り立っています。

中山 確かにそうですね。もちろんサッカー界でも、リベリーのようにプロクラブの下部組織でドロップアウトしながら、アマチュアのクラブに拾われて、そこから這い上がった例もありますけど、多くの場合は、ドロップアウトした選手はアマチュアでキャリアを終えたり、用具係や事務スタッフなど選手以外の仕事をしたり、あるいはまったく別の道に進んだりします。

 そのように、ふるい落とされた子どもがその後の人生をどのように歩んでいくかは、どの国でも問題になっていますが、たとえばリヨンの育成センターではプロになれなかった子どもが次の進路を見つけられるまで、しっかりフォローするシステムが出来上がっているようです。問題は、そういったクラブ以外で脱落してしまった子どもたちですよね。プロになれるのはほんのひと握りの子どもに限られていて、多くは夢を叶えられないわけですから。

(第6回につづく)

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