『鬼滅の刃』のお館様のような、特別な言葉を持つサッカー監督は誰か (2ページ目)

倉敷 たとえば、会見を見たり、取材をしていて面白いと感じた監督は誰でしょうか?

中山 ヨーロッパのクラブで言うと、マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソン監督と、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督のやりとりなどは抜群に面白かったですね。直接対決の前にはメディアが飛びつくようなコメントをお互いに発信し合って、よりビッグマッチの注目度がアップするような要素がふんだんに盛り込まれていたと思います。小澤さんの言う、エンタメ性は抜群でした。

 また、モウリーニョ監督も、ポルト時代から相当な自信家ぶりを発揮してくれて、つねに攻撃的なコメントをしてメディアやファンを喜ばせてくれますよね。モウリーニョの場合、それでいて選手たちにはマメにメールや電話を入れて団結を促すことも怠っていませんでしたので、身内に向けた言葉と外向けの言葉を巧みに使い分けていた印象があります。

 日本人では、FC東京の長谷川健太監督の会見が好きですね。多くの日本人監督は、勝ったあとと負けたあとのギャップが大きいタイプが多いのですが、長谷川監督は監督経験を重ねるごとに懐が深くなって、会見での表現力が豊かになったというか。勝敗にかかわらず常に心と頭に余裕を持ちながら面白い言葉を発してくれます。

 これは個人的な見解ですが、優秀な監督は言葉の力を持っているから、会見も面白い。そういう点では、長谷川監督はガンバ大阪でタイトルを獲得するようになってから、随分と会見のエンタメ性が上がった印象があります。

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