ピルロがピッチにいない。非難集中ユーベ指揮官に突きつけられた難問 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 かつてピルロのプレーは絶賛され、明確なプレーデザインが伝わってきた。タイミング、スペース、人と人の距離、受け手の態勢、あらゆるものが計算され、その後のプレーに優位を与えていた。まさに演出家だった。

 しかし今、ピルロの域に達するレジスタは皆無だ。

 ユーベにも、アルトゥール、ロドリゴ・ベタンクール、アドリアン・ラビオ、ウェストン・マッケニー、アーロン・ラムジー、デヤン・クルセフスキなど、中盤の人材がいないわけではない。例えば左利きのフランス代表、ラビオのセンスは傑出している。しかし、誰もピルロの天才性には遠く及ばない。

 監督として見ている景色。それは、現役時代と近いはずだが......。

<ピッチにピルロがいない>

 その難題をピルロは解けるのか。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る