メッシは竈門炭治郎?「鬼滅の刃」ファンのサッカー識者3人が熱く語る

◆「鬼滅の刃」を読むとサッカーがより面白くなる。共通点は多数あり>>

中山 確かに、マラドーナも伝説の5人抜きゴールを決めていますしね。あの1986年メキシコW杯のイングランド戦の2ゴール目は、密集の中で道を見つけるのではなく、ピッチ全体を上から俯瞰するようにして道を見つけていたのかもしれません。メッシとは異なる手法ですが、そういう点でも、マラドーナが隙の糸を見つけられる特別な才能の持ち主であることは間違いないでしょう。

 ただ、メッシと違うのは、キャラクター的に炭治郎のイメージが湧かないということでしょうか(笑)。よくディエゴ・マラドーナという人物を分析する時、「ディエゴ」はサッカーを愛してやまない純粋なサッカー小僧で、「マラドーナ」は汚れた心を持つ悪い大人という風に言われますよね。だからディエゴは炭治郎かもしれないけども、もしかしたらマラドーナは悲しみを背負った時期に鬼舞辻󠄀無惨にそそのかされて、鬼になってしまったのかもしれません。でも僕はマラドーナ信者なので、きっと最期は炭治郎が鬼を倒してくれて、マラドーナは天国に行ったと信じていますが。

<ヒノカミ神楽にブラジルのジンガを重ねる>

倉敷 マラドーナなら間違いなく上弦でしょうね、巧みな血鬼術を使いそうです。きっと愛する娘たちに呼びかけられて人に戻るのでしょう。

 今度はヒノカミ神楽の話をしませんか。炭治郎の父である炭十郎がヒノカミ様に舞を捧げる姿を子どもの頃に見た炭治郎がその動きを取り入れて生み出した技ですが、舞にルーツがあるという点でブラジルのジンガを思い出しました。

 ブラジルで"クラッキ"といわれる才能溢れる選手のなかには、「ジンガを使う」と形容される人たちがいます。例えばネイマールですね。カポエイラという格闘技と音楽とダンスが融合した文化がありますが、腰を落とし左右に体を移動させる特徴的なステップがジンガです。リズミカルなステップでボールをコントロールするジンガの動きが、想像力あふれる技を生み出す源になっていると言われます。酔拳にも似たジンガ自体はサッカーの技ではありませんが、プレーのなかにジンガがあるかないかが大きな違いを生み出すようです。

 炭治郎は戦いにヒノカミ神楽を応用することに気付き、それからの炭治郎の戦い方は大きく変化しました。そこにジンガとヒノカミ神楽の共通点があるように思います。サッカーにも言えますが、古来より伝承される型、もしくは技を持っている国は強いですね。

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