長谷部誠vs遠藤航。ブンデスリーガで光る新旧日本代表ボランチの特徴 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Reuters/AFLO

 クラブ愛を口にし、エンターテイメント性を心得た発言をするのもふたりの特徴だ。

 長谷部は2月20日のバイエルン戦前に「リーグを盛り上げるためにも、勝ちたい」と話していた。そして実際に2-1で勝ったあとは「これでリーグ戦が盛り上がる」と繰り返した。いつもバイエルンが独走しどこか白けてしまうブンデスリーガ終盤戦を経験しているベテランらしい発言である。一方の遠藤はイングランドへの憧れを口にすることもあるが、「シュツットガルトが気に入っているので、ここのクラブをかつてのような優勝できるクラブにしたい」ときっぱり語る。

 そしてふたりには、ドイツ人の目にもぱっとわかる外見上の特徴がある。まず長谷部は半袖のユニフォーム。2月に続いた零下の試合でも半袖に手袋という姿でプレーして、見ている者を凍りつかせた。遠藤は赤いマウスピースだ。シュツットガルトカラーの赤を装着するのは、「ディフェンダーにも日の目が当たれば」という願いがこもっている。ウニオン・ベルリン戦では「ヘデイングで相手の頭が歯あたって、マウスピースがなければ前歯は折れていました」と、激しい戦いを表現していた。

 フランクフルトとシュツットガルト、リーグ前半戦の対戦は2-2で引き分けだった。2度目の対戦はどちらに軍配があがるか。鎌田大地(フランクフルト)を含め、日本人3選手の活躍とともに楽しみだ。

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