長谷部誠vs遠藤航。ブンデスリーガで光る新旧日本代表ボランチの特徴 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Reuters/AFLO

 また、ビーレフェルト戦では両チームトップとなるスプリントのスピードを記録。これまたクラブから「おじさんじゃないよ」という、また年齢をいじられるような褒められ方をした。このスプリントも長谷部の魅力のひとつだろう。

 一方の遠藤は、「ツヴァイカンプフ(デュエル、1対1)マイスター」と呼ばれるほどのツヴァイカンプフの勝利数を誇る。ブンデスリーガの公式サイトによれば、勝利数の合計は現在までで344回でリーグトップ。2位はアウクスブルクのダニエル・カリジューリで317回、3位はヘルタ・ベルリンのマテウス・クーニャで314回、4位は200回台だから、遠藤は群を抜いている。

 もちろん、ツヴァイカンプフの回数そのものが多いか少ないかはチーム戦術に左右されるところもあり、首位バイエルンの最上位が30位のトーマス・ミュラーというのは、バイエルンが1対1を多発しない戦術をとっているからだろう。それでもドイツ人が重視するこのランキングでトップに君臨するのは誇らしいことである。

 遠藤によれば、ドイツに来てから下半身の安定感が増してきたことを実感しているそうで、その結果が数字に直結している。また、効果的なロングボールを安定的に供給できることもあり、味方からの信頼は高い。パスの成功率86.1パーセントはシュツットガルトで3番目に高い数字で、リーグ全体でも31位となっている。

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 プレー以上に、ふたりが共通していると思えることがいくつかある。まず、ともにキャプテン的な役割を自然と務められる点だ。

 長谷部本人は「本来はキャプテンタイプの人間じゃないんですけど」と言っているが、ピッチに立つ姿はキャプテンそのもの。前キャプテンのダビド・アブラハムが今シーズン途中に現役を引退すると、以来7試合連続でキャプテンマークを巻いている。そして遠藤も、本来のキャプテンである元ドイツ代表のゴンサロ・カストロが、1月29日のマインツ戦の前半途中で負傷、退場すると、キャプテンに指名される。続くカストロ不在の2試合でもキャプテンマークを巻いてプレーしている。 

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