香川真司、本田圭佑...ブランク後の華麗なる復活はあり得るのか

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by MB Media/ AFLO

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 最近では、元トルコ代表アルダ・トゥラン(ガラタサライ)が、アシスタント・レフェリーに暴行を働いたことにより、16試合の出場停止処分を受けた例がある(後に10試合に軽減)。その影響でバシャクシェヒル(トルコ)との契約を解除されたトゥランは、所属元のバルセロナに戻ったものの、選手登録されないまま半年以上、実戦から遠ざかることとなった。

 古巣ガラタサライで復帰を果たしたのは、昨年9月のこと。つまり約9カ月ものブランクがありながら、今シーズンは約2年半ぶりのゴールを決めるなどキャプテンとしてチームを統率し、華麗なる復活を遂げている。

ちなみにバルセロナ時代の元チームメイトでもあるウルグアイ代表ルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード)は、2014年W杯における"噛みつき"事件によって4カ月の活動禁止処分を受けている。

 さらに、一度は現役引退を発表しながら、再びピッチに復帰した例もある。直近では、元オランダ代表のアリエン・ロッベンが、2019年7月にバイエルンで現役引退を発表したものの、昨夏に古巣フローニンゲンで現役復帰を表明すると、開幕戦となった9月のPSV戦でキャプテンマークを巻いてスタメン出場。不運にも負傷により途中交代を強いられたが、約1年4カ月ぶりに公式戦のピッチに立っている。

 同じような例としては、元イングランド代表ポール・スコールズ、元イタリア代表アントニオ・カッサーノ、あるいは元アルゼンチン代表ファン・セバスティアン・ベロンらのケースもある。ただし、いずれもトップレベルで完全復活を果たしたとは言い難いものに終わっている。今シーズンのロッベンも、これまでリーグ戦2試合出場にとどまっており、現役引退からの復帰は想像以上にハードルが高いようだ。

 この冬は、香川と同様、それまで無所属状態だったマリオ・マンジュキッチがミランに、ジャック・ウィルシャーがボーンマス(イングランド)に、アレシャンドレ・パトもオーランド・シティ(アメリカMSL)に、それぞれ新天地を求めている。

 果たして、約半年のブランクを乗り越えて、彼らはどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。本田圭佑の今後を占う意味でも、彼ら復帰組の動向に注目したい。

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