久保建英はヘタフェに居場所をつくれるか。武闘派指揮官も正念場 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 レアル・ソシエダ戦で、久保、アレニャ、マルク・ククレジャと"元バルサトリオ"が流れるようなパスをつなぎ、エリア内のフアン・マタに通したが、コントロールミスでチャンスをふいにしたシーンは象徴的だ。

 久保はボールを持てば脅威を与えられるし、高い位置でコンビネーションを使うことで守備組織を崩せる。守備意識も高くなったし、帰陣も早く、「ヘタフェの選手」にふさわしい振る舞いなのだが......。

「久保はフィジカル的に改善の余地がある」

 ボルダラスにはそんな注文を付けられ、このままでは袋小路だ。

 久保は矛盾の中で結果を残さなければならない。厳しい状況だが、得点、もしくはそれに直接絡んで、チームを勝利に導くしかないだろう。過去3試合、ヘタフェは枠内シュートゼロ。その状況を打破したら、フィジカルの不足など補って余りある。過酷な現実だが、ボルダラスの言うフィジカルは体のサイズも含めたもので、一朝一夕にどうにかなるものではない。

 2月19日、14位のヘタフェはベティスと対戦する。ボルダラス監督は退場処分を受け、指揮を取れない。解任の話も現実味を帯びてきた。

 久保は、次回も切り札的な起用になるか。どうにか虎口を脱する一撃を――。風雲、急を告げてきた。

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