松井大輔が引退を語る。「カズさん、俊輔さんと違う道を探して切り開く」 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • サイゴンFC●写真提供 photo by Saigon FC

「いや、あのふたりに関しては、引退という言葉はないと思います。引退後に何をしたいかではなく、とにかくずっとサッカー選手でいたい、というふたりですから。だから僕は僕でふたりとは違う道を探して、自分の道を切り開いていきたい。ふたりと同じ道を歩むのは自分らしくないと思うし、自分にしかできないことを、ベトナムで、あるいは日本で探しながら前に進んでいくだけです」

---- かつて"谷間の世代"と言われたなかでは、阿部勇樹、大久保嘉人、駒野友一、山瀬功治など、まだ多くの仲間たちが現役でがんばっていますね。

「たぶん、僕たち谷間の世代は、ひとつ上の黄金世代に引っ張られてきたように思うんです。ヤットさん(遠藤保仁)、シンジ君(小野伸二)、イナモト君(稲本潤一)、ユウタ君(南雄太)......。

 黄金世代の人たちもまだがんばっているわけだし、僕たちはあの人たちには敵わないかもしれないけど、俺たちもやれるんだっていう反骨心を持ち続けながらやってきた気がします。だから意外に息が長くなっているんだと思います。

 そういう意味では、僕たちもなかなかの豊作の世代ですよ。黄金世代がゴールド世代というなら、僕たちはシルバー世代ですね(笑)。とはいえ、がんばりすぎても前に進めないものなので、とくに最近は、いさぎよさも大事だと思うようにはなりました」

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---- サイゴンFCとの契約は1年ということですが、当面の目標は? 

「これからもチームに必要とされる選手であり続けたい、ということがひとつ。そして、クラブやベトナムサッカー界に貢献したい。会長からは、違った形になってもいいから長く付き合っていきたいと言ってもらっているので、そういう環境に身を置けていることに感謝しながら、少しでも目標を実現できればと考えています」

---- そんな松井大輔選手の姿を見て、勇気づけられる人もたくさんいると思います。

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