大迫勇也の厳しい現状をドイツ人記者が指摘。改善へ監督と話し合いも (2ページ目)

  • ビョルン・クニプス●文 text by Björn Knips
  • 鈴木達朗●翻訳・構成 translation by Suzuki Tatsuro

 監督は、この状態を改善すべく、大迫と話し合ったうえで休暇を与えた。この間にリフレッシュし、頭を切り替えさせる時間をとったのだ。「ユウヤの性格は、とても繊細だ。彼の家族が、デュッセルドルフからブレーメンに来てくれた。ユウヤには3日間の休暇を与え、ひと息つける時間を与えたんだ」と監督は教えてくれた。そして、この大迫への"特別な対処法"は、明らかに成功した。

 ボルシアMG戦、ヘルタ・ベルリン戦と短い出場時間を得たのちに、大迫はシャルケ戦で比較的長い出場時間を得て、チャンスを生かした。「ユウヤはあきらめずに、自分のすべきことをやりつづけた」と、笑顔を見せたコーフェルト監督自身、大迫には昨季のようなシーズン後半の成功を期待しているのだ。大迫は、昨シーズン8得点を決めたが、そのうちの4ゴールは後期に決めたものだ。

 しかし、ブレーメンのファンたちが大迫に向ける疑念は、しばらく残りつづけるだろう。大迫が安定して活躍した期間は、あまりにも短すぎた。ブレーメンでの最初のシーズンは、マックス・クルーゼの陰に隠れていた。クルーゼが移籍したあと、大迫はエースの座を継ぐことを求められていたが、それはあまりに大きな負担となってしまった。

 彼の問題は、チームを背負う責任を引き受けたがらないところだった。風当たりが強すぎる時には、急速にパフォーマンスが落ち、そのほかの選手たちのなかに埋もれてしまう。チーム内の役割をこなすなかで、対戦相手からはブンデスリーガで実績のあるアタッカーと見られているだけに、常に厳しいマークに晒されている。相手DF陣は、大迫には激しい当たりで、厳しくチェックする。

 だが、そのわりにファウルをもらうことが少ない。ブンデスリーガの審判たちは、大迫に対してあまり良い印象を抱いていないようだ。あまりに頻繁に文句を言うので、警戒しているのだ。でも、わざわざそんなことをする必要はない。サッカーの能力に関して、大迫はブレーメンで最高の選手なのだから。

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