大迫勇也の厳しい現状をドイツ人記者が指摘。改善へ監督と話し合いも

  • ビョルン・クニプス●文 text by Björn Knips
  • 鈴木達朗●翻訳・構成 translation by Suzuki Tatsuro

日本代表FWの大迫勇也が、ブレーメンから移籍するという噂が、先月報道された。しかし、ドイツ国内の移籍市場が閉まっても、大迫がブレーメンから離れる様子は見られない。直近のシャルケ戦では、再び出場機会が与えられ、復調の兆しを見せた。この1カ月間、大迫に何があったのか。そして、地元ファンから批判を浴びてしまう原因とは? 地元メディア『ダイヒシュトゥーベ』のブレーメン番記者、ビョルン・クニプス氏が寄稿してくれた。

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 ブレーメンでは、大迫勇也の移籍のシグナルとも取れる動きが見られていた。しかし、大迫は、少なくとも今年の夏まではチームに留まることになるだろう。フロリアン・コーフェルト監督は、この日本人選手が、スランプから脱出できるように手を尽くしたのだ。

ブンデスリーガ後半戦での活躍が期待される大迫勇也 photo by Getty Imagesブンデスリーガ後半戦での活躍が期待される大迫勇也 photo by Getty Images とりわけ、大迫の家族が、デュッセルドルフからブレーメンに会いに来てくれたことは、大きな気分転換になったようだ。1月30日のシャルケ戦では、途中出場で期待どおりのパフォーマンスを見せ、「ユウヤが持っている能力を見せてくれた」と、コーフェルト監督も称賛した。

 大迫は、61分にジョシュア・サージェントと交代でピッチに入ると、14回のボールタッチ数、シュート数は1本、そしてシュートのお膳立てが2本と、活躍は数字上にも表われた。さらに、ケビン・メーバルトの貴重な同点ゴールにも絡んでいる。最近の大迫のプレーからは、あまり見られないことだった。

 今年に入り、1月9日のレバークーゼンとのアウェー戦で、大迫は帯同メンバーから外れている。つづくホームのアウクスブルク戦ではベンチ入りしたものの、起用されなかった。コーフェルト監督は「あの時点では、ユウヤの起用を正当化できない点がひとつあった。彼のパフォーマンスを見ていなかったわけではなかったのさ」と振り返る。

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