セリエA前半戦のサプライズ。ミラン復活、ユベントス不振、ベネベント奮闘

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ネガティブな意味でサプライズなのは、下位のチームだ。降格圏には、これまでイタリアのサッカーの歴史を作って来たチームの名前が見られる。パルマ、カリアリ、トリノ、ジェノアだ。特にトリノとカリアリにとって、このシーズン前半は苦しいものだった。

 トリノはここまでたった14ポイント、ホームでの勝利は一度もない。彼らはつい先日監督の首をすげ替えたが、本当に必要なのはメンタリティの一新だろう。選手たちの顔ぶれを見る限り、この順位に甘んじるチームではない。

 同じ下位でもカリアリは少し状況が異なる。彼らは今シーズン、いいスタートを切った。一時期はヨーロッパリーグ出場権も期待できるのではというところにまでいっていた。しかしその夢は、まさかの6連敗で破れてしまった。

 このチームも、持っているカードは悪くない。ディエゴ・ゴディン、ラジャ・ナインゴラン、ジョアン・ペドロ、ナイタン・ナンデス......。だが、監督のエウゼビオ・ディ・フランチェスコはこの状況から抜け出すのに苦労をしている。

 そこでカリアリの会長は通常とは異なる手段に出た。監督を解任する代わりに、信頼の証として契約を1年延長したのだ。つまりトリノとは真逆の方法だ。監督をクビにしたトリノと信頼を与えたカリアリ。どちらの方法が功を奏すのか、外野としては興味深いところだ。

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