2021.01.30

ファンが夢見るバルサスタイルの復活へ。カギを握る18歳ペドリの活躍

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

<バルサスタイル特化の弊害>

 バルセロナのカンテラが注目されたのは、ジョゼップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ監督)の存在が大きい。それ以前にもクライフのチームメートだったカルレス・レシャックや、ドリームチームの中核だったギジェルモ・アモール、アルベルト・フェレールなどがいるが、グアルディオラはバルサスタイルの象徴とも言える選手だった。

 グアルディオラのあとはシャビ・エルナンデス(現アル・サッド監督)、そしてイニエスタ、リオネル・メッシと次々に逸材を輩出した。体格は普通か小柄、しかしパスワークのテクニックがすばらしく、バルサのパスゲームはカンテラーノたちの活躍が支えていた。

 シャビ、イニエスタ、メッシのあとも、バルサ的な才能を持つ選手は現れている。ただし、トップチームに定着した例はむしろ少ない。カンテラ時代は最高傑作と言われたボージャン・クルキッチ(モントリオール・インパクト)も、大成したとは言い難い。天才の誉れ高かったチアゴ・アルカンタラは、バイエルン、リバプールとバルサの外で活躍した。

 カルレス・アレニャは久保建英と共にヘタフェでプレーしている。昨季バルサでブレイクしたリキ・プッチもロナルド・クーマン監督に代わった今季はあまり出番を与えられていない。

 あまりにもバルサスタイルに特化しすぎているからだろう。もちろんバルサのカンテラを経てプロになった能力があるので、ほかで通用しないわけではない。移籍して大活躍している選手は多い。

 ただ、インテリオール(インサイドハーフ)に関しては難しい。バルサスタイルのエキスが最も濃いポジションなので、それだけほかのスタイルにはフィットしにくい。最近は他チームでもバルサ的な選手を使える環境ができてきているが、依然としてバルサに最適化すればするほど「つぶしがきかない」傾向はある。

<カギを握る4-3-3>

 バルセロナ内部でさえ、カンテラーノが適応できないケースがある。監督がクライフやグアルディオラなら起用されても、ルイス・エンリケ(現スペイン代表監督)やクーマンなら使わないということは起こりうる。同じバルサの監督でもバルサスタイルには濃淡があるので、あまりにコテコテすぎるとはじかれてしまう場合もあるわけだ。