ザックジャパン時代から様変わり。日本人の欧州移籍トレンドを読み解く (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 要するに、日本代表クラスはほぼヨーロッパ組で占められていて、マーケット的には、獲得側クラブはその下の世代にターゲットを移さざるを得なくなった、というわけである。そうなると、ピラミッドの上部に位置する主要リーグではなく、セカンドグループ以下のクラブが主な移籍先になるのが、マーケットの法則だ。

 たしかに移籍のハードルは低くなった。だが、激しい代表の競争のなかで勝ち上れる確率はどうしても低くなる。おそらくこの傾向は、日本代表がヨーロッパ組で占められている限り、今後も続くだろう。

 理想的な例は、シント・トロイデン(ベルギー)からボローニャ(イタリア)にステップアップし、さらに評価を上昇させている冨安健洋だ。その国籍に関係なく、青田買いされた金の卵としては、移籍マーケットにおける成功例に数えられる。それは、シント・トロイデンからシュトゥットガルト(ドイツ)にステップアップした遠藤航にも同じことが言える。

 果たして、この冬に旅立った5人の行方はいかに。とりわけ彼らがヨーロッパでステップアップを果たせるかどうかは、今後の日本代表を占ううえでも注目に値する。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る