2021.01.22

今、世界で最も欲しがられる選手。アラバはどこでプレーしても最上級だ

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

◆バイエルンを欧州の頂点に導いた新名将フリック。新機軸戦法の正体>>

 広いスペースをカバーできる守備範囲の広さ、1対1のデュエルの強さ、奪ったボールを確実につなぐ技術。空中戦は抜群とは言えないまでも十分に強い。CBとして世界最高クラスなのだが、本人はこの役割に不満があるようだ。それはそうだろう。これだけ何でもできるのだから、自分の力を100%発揮していない気がしていても不思議ではない。

<どのチームにも欲しい選手>

 左側のCBと言えば、リバプールのフィルジル・ファンダイク(オランダ)とレアル・マドリードのセルヒオ・ラモス(スペイン)が双璧だが、ふたりとも右利きだ。右利きはハンデにはなっていないが、左利きのほうが有利なのは間違いない。

 レアルがアラバを獲得したら、右にラモス、左にアラバの理想的なコンビが実現する。MFとしても、どこでもそつなくこなすだろう。どのチームにとっても欲しい選手に違いない。

 ただ、アラバを最も必要としているのはバイエルンのはずだ。CBにはジェローム・ボアテング、ニクラス・ズーレ(いずれもドイツ)がいるが、どちらもフィジカル能力は抜群ながら、アラバの技巧とスピードはない。異常なほど高いライン設定の戦術は、アラバがいてこそ機能している。

 アラバは、ミラン(イタリア)のレジェンドだった、パオロ・マルディーニ(イタリア)とよく似ている。若くして左SBのポジションをつかみ、CBとしても守備の重鎮となった。攻撃力もすばらしく、もしマルディーニがスペイン人だったら、DFではなくMFとして起用されていただろうと言われていたものだ。

 マルディーニは引退までミラン一筋でプレーした。アラバがバイエルンでプレーしつづけるかどうかはわからない。

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