欧州CL出場各クラブの現状を解析! コロナ下の超過密日程の影響は (2ページ目)

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倉敷 グループ分けのポッド1で敗退したのはゼニト(ロシア)だけ、一方でポッド4からラウンド16に駒を進められたのはボルシアMG(ドイツ)だけでした。そのボルシアMGの後塵を拝したインテル(イタリア)が敗れ去ったことが予想外の結果と言えそうですね。

 パンデミックの発生以降に再開された昨季のCLは、各国リーグの再開状況によってコンディションのバラつきがありました。昨季終盤との比較も含めて、疲労の蓄積や新シーズンに向けた仕上がり具合の影響はいかがでしょうか? 

小澤 影響は間違いなくあったと思います。各国リーグ戦が開幕するなか、今季はどこもしっかりとしたオフが取れず、いつもと違うプレシーズンを過ごしました。しかもクラブはコロナショックから経営難に見舞われ思うような補強もできず、見切り発車のような格好で新シーズンに突入しました。さらに9月からは代表戦が始まったこともその状況に拍車をかけたと思います。とくに南米出身の選手は長距離移動をしてW杯予選を戦い、疲弊してクラブに帰ってきた。代表戦は新型コロナウイルス対策のプロトコルにばらつきがあるため、ウルグアイ代表のルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード)のように、新型コロナウイルスに感染して戻ってくる選手もいました。

 そういうなかでCLを戦わなければならないクラブの監督は、選手のやりくりが相当難しかったと思います。それと、たとえば各試合を戦術的に見た場合、両チームがプレスを掛け合うような激しい試合が減った印象を受けましたし、一試合一試合の強度も昨季のファイナル8とは比較にならないほど低かったと思います。

中山 たしかに、正直、GSは物足りないものがありました。ただ、一度オフシーズンに緩んでしまった選手がトップフォームに戻るには、あまりにも時間的余裕がなさすぎたので、仕方ない部分もあると思います。マドリー、パリ、リバプール(イングランド)、バルセロナ(スペイン)、そして前回王者バイエルン(ドイツ)も、ケガ人が多く低調なパフォーマンスで、同じような症状に見えました。

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