本田圭佑、ボタフォゴ退団で全紙の一面に。クラブ幹部から手厳しい声 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 この移籍には彼なりの理由、言い訳があるのかもしれない。しかし、それでも彼が裏口からこそこそ出てこうとしているのには変わらない。少なくともボタフォゴのすべての人間はそういう印象を受けている。

 ボタフォゴと契約する直前、本田は「オリンピック代表チームに招集された場合、そちらを優先させてほしい」と依頼した。本田がボタフォゴのオファーを受けたのはオリンピックのためにコンディションを整えたいからなのは明白だった。しかしボタフォゴはそれを受け入れた。彼に手を差し伸べた。そしてヒーローとして扱い、キャプテンに指名し、ユニホームやマスコット人形を作った。そんな関係を、よくシーズン終了前に一方的に破棄できたものである。

 クラブ幹部やサポーター、チームメイトすべてに共通している感情は「失望」だ。本田はもうブラジルには戻ってくることはできないだろう。今から約1年前、空港で1万5000人のサポーターに熱狂的に迎えられた彼は、今度はどのようにリオを去っていくのだろう。

 

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