本田圭佑、ボタフォゴ退団で全紙の一面に。クラブ幹部から手厳しい声 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 別のラジオ番組でバロッカは「これからは本当にここにいたいと思う選手たちだけと、ともに戦いたい」と言っている。まぎれもなく本田へのメッセージだろう。

 先日の会長選挙で勝ち1月1日からボタフォゴの新会長となるドゥルチェシオ・メッロは怒りを通リ越して、もう開き直ってもいるようだった。

「彼の移籍は悲しくない。今やめてくれるなら少しでも金が助かる。27試合プレーして3ゴールしかできない選手なら別に必要ない。彼はすべての期待を裏切った」

 ついには本田圭佑の代理人さえも、こんな発言をするようになった。

◆中田英寿と本田圭佑。2人は中村俊輔にとって、どんな存在だったのか>>

 それにしても本田のこの行為はどうしても納得できない。以前は「本田は真のプロフェッショナルだ」という称賛の声がよく聞かれた。だが、危機に陥ったチームを助けるのではなく、さっさと見捨てていく。それもチームが敗戦して打撃を受けた直後という最悪のタイミングにチームに告げる。そんな選手を真のプロとは言わない。

 本田はキャプテンである。キャプテンは皆の手本にならなければいけない。逆境でこそ強くあらねばならない。しかし彼からその責任感はまるで感じられない。

 また、チームに馴染む気持ちもあまりなさそうだった。ポルトガル語も結局は覚えなかったので、チームメイトに馴染むこともなかった(かつてやはりリーダーとして迎えられたクラレンス・セードルフは完璧なポルトガル語をしゃべった)。

 ボタフォゴ関係者によると、ロッカールームでの会話にも混ざらない。話し合いにも参加しない。まるでボタフォゴに興味がないようだったと言っている。1カ月半前、本田は「自分はチームの従業員ではなくパートナーだ」と言っている。ボタフォゴのある幹部は今回の報を受け、「何がパートナーだ。ばかばかしいにもほどがある」と、吐き捨てていた。

 メディアの意見も手厳しい。ブラジルの有名サッカージャーナリスト、ルイス・アウグスト・サイモンは大手スポーツサイトにこう書いている。

「彼は自分の権利だけは主張し、その実、自分は契約も守れない。ラモン・ディアス(前監督)を解任したことで直接クラブ幹部を責めたのに、ヨーロッパからオファーが来たからとチームを見捨てていく」

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