冨安健洋の評価額は3年で18倍。今冬のミラン移籍は実現するか (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 また、カリアリ戦(第6節)、サンプドリア戦(第8節)、そして昨シーズンの第2節以来、約1年3カ月ぶりにクリーンシートで勝利した今シーズンのクロトーネ戦(第9節)では、個人として高いパフォーマンスを見せて高評価を得ている。

 そういう意味では、相手FWとの駆け引きや周囲への指示を含めた連係など冨安自身の課題を克服する必要はあるものの、まずはチーム状況さえ改善されれば、自ずと冨安のパフォーマンスと評価も上昇気流に乗ると見ていいだろう。

 ちなみに、2018年1月の段階では100万ユーロ(約1億2000万円)にも満たなかった冨安の移籍金評価額は、その後、600万ユーロ(約7億5000万円)、1000万ユーロ(約12億6000万円)、1500万ユーロ(約18億9000万円)、そして現在は1800万ユーロ(約22億7000万円)と、移籍期間を迎えるごとに着々と上昇している。

 さすがにこの状況下では、よほど破格なオファーがないかぎり、冬の移籍マーケットで冨安がボローニャを出ることはないだろう。むしろ、現在は困難を乗り越え、選手としてひと回りもふた回りも成長することが、経験がモノをいうDFとしては重要になる。

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 なにより、わずか1年半でシント・トロイデンからボローニャにステップアップした22歳の若者にとって、伝統的に守備が強いセリエAというリーグで毎試合コンスタントに出場できることは、願ってもない環境と言える。そのなかでしっかり実力をつければ、セリエAの上位クラブはもちろん、イングランドやスペインでも通用するDFになるはずだ。

 ぶち当たった壁をどのようにして乗り越えるのか。そして、ボローニャからいつ、どのようにステップアップしていくのか。長期的な視点で見ても、今シーズンの冨安のプレーぶりは注目に値する。

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