南野拓実のMF起用にメディア高評価。新ポジションで風向きが変わった (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 ところが、インサイドハーフとして先発したCL第6節のミッティラン戦で存在感を発揮。「ブライトン戦と違い、この日のミナミノはずっと良かった」とクロップ監督も褒め、今回のフラム戦の出場につなげた。10月、11月の状況から考えれば、風向きは少し変わり始めたと言えよう。

 もちろん、リバプールにケガ人が続出している状況は考慮する必要はある。中盤だけでもティアゴ・アルカンタラ、ジェームズ・ミルナー、ナビ・ケイタ、ジェルダン・シャキリと、故障者リストは実に長い。

 チームにとっては非常に厳しい状況にある。だが、南野としてはこのチャンスを是が非でも掴みたい。いや、掴まなければいけないだろう。故障者が戻ってくれば再び過酷なポジション争いに身を置くことになるだけに、それまでに最大限のアピールができるか。

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 必要なのは、やはりゴールやアシストという目に見える結果だ。CLミッティラン戦では、後半44分にサディオ・マネにハンドがあったとして、VARによる微妙な判定で南野の決勝ゴールが取り消された。

 ミッティラン戦後、1984〜1996年までリバプールでプレーしたOBのヤン・モルビー氏は「ミナミノが決勝ゴールを入れたように見えた。VARは非常にフラストレーションが溜まる」と話していたが、もし決まっていれば特大のアピールとなっていただろう。

 そして、スペースに飛び出してもパスが入らないという課題を克服するには、こうした結果を重ねて、周囲の信頼を掴んでいくしかない。

 チームの故障者が多く、過密日程で試合数も多い今こそが、南野にとって正念場である。

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