久保建英、ビジャレアル残留か移籍か。レアル復帰の可能性はある? (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 それは久保本人にとってもいえることで、今後のステップアップを考えたうえでビジャレアル以上の環境でプレーできる新天地でなければ、納得はしないだろう。要するに、この冬で他クラブへレンタル移籍する選択は、可能性が低いうえにあまり得策とはいえない。

 そうなると、最も可能性が高く、ベターな選択なのがビジャレアル残留になる。

 そもそも、引き続きシーズン後半戦もビジャレアルでプレーすることは現在の久保にとってそれほどマイナスなことなのか。

 たとえば、今シーズンの久保はラ・リーガ第11節(対レアル・ソシエダ戦)を終えた段階で11試合すべてに出場。問題は、そのうちスタメン出場を果たしたのは第7節カディス戦1試合のみで、それ以外の10試合は後半途中からのプレーに限られている点だ。また、出場時間も189分にとどまっている。

 しかし、出場機会が限られている国内リーグ戦とは別に、今シーズンの久保はヨーロッパリーグでもプレーしており、こちらではグループステージ第5節終了時点で5試合に出場。しかも、5試合すべてでスタメンに名を連ねて出場時間は376分を数え、ここまで1ゴール2アシストをマークしている。対戦相手のレベルは別として、久保が最も必要としている"目に見える結果"を残していることが大きい。

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 現状、チームを率いるウナイ・エメリ監督は、主にレギュラーメンバーを国内リーグで起用し、サブメンバーをヨーロッパリーグでプレーさせるという手法でチーム強化を進めている。その意味においては、まだ久保はサブの域を出ないことになる。

 ただ、昨シーズンのマジョルカでは経験できなかったヨーロッパの舞台は、久保にとって大きな学びの場であることは間違いなく、悲観的にとらえる必要はない。むしろヨーロッパリーグで実績を積み、結果を残すことが、今後のステップアップにつながるはずだ。

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