マラドーナが母国で激愛される理由。国民は英雄の死をどう受け止めたか (3ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • ヤナガワゴーッ!●撮影 photo by Yanagawa Go

 アルゼンチンでも新型コロナは猛威を振るっており、感染者は累計140万人近くとなり、死者も約3万8000人に上る。ただ、これから夏を迎えるアルゼンチンは気温の上昇とともに感染者数が減ってきている。11月9日には8カ月近くに及んだロックダウンは解除されたが、それでも不要不急の外出は自粛するよう要請されている。

 そのような状況下で、アルベルト・フェルナンデス大統領は、「ディエゴにふさわしいお別れをしなければならない」と、誰でも参列できる葬儀をカサロサーダと呼ばれる大統領府で行なうことを発表した。86年W杯優勝時には、ここのバルコニーにマラドーナが立ち、建物前の広場に詰めかけた大観衆に優勝カップを掲げたものだ。大統領は「お別れをしたいすべての国民が参列できるようにしたい」と語っている。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る