欧州組日本代表の「将来性ナンバーワン」は久保建英か?冨安健洋か? (4ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

堂安律への評価が急上昇。日本代表での競争も「ウェルカム」>>

 鈴木武蔵は今季から加入したベールスホットで現在5得点。好調なチームで結果を残している自信を、日本代表でものぞかせていた。もう一段上の、例えばブンデスリーガのクラブから声がかかるくらい、シーズン終了までゴールを積み重ねてもらいたいところだ。

 ただ、ベルギーリーグのようなステップアップリーグのクラブで試合出場の機会が得られない選手は、Jリーグに戻ることも選択肢として考えてもらいたい。

 若い選手にとって海外移籍は飛躍へのチャンスである反面、試合に出られないと失うものも大きい。たくさんプレーして成長を遂げていく大切な時期だけに、試合に出られない状況がつづくようなら、移籍1年目であっても出場機会を求めて別のクラブに移る決断も必要になるだろう。

 選手寿命は限られている。悔いなく挑戦したいという気持ちはわかるが、サッカー選手にとって試合でプレーできない時間ほど、もったいないものはない。

 日本人選手の海外移籍は当たり前の時代になったなかで、この1、2シーズンに新たな転換点を迎えるのではないかと思う。

 中田英寿や小野伸二がヨーロッパでの日本人選手の価値を高め、それにつづいた北京五輪世代の本田圭佑、長友佑都、岡崎慎司、香川真司といった選手たちが4大リーグで活躍し、欧州での日本人選手の存在感がさらに増していった。

 そして、これからは日本人選手がビッグクラブでレギュラーとして活躍する時代になることを期待している。南野や久保、冨安といった選手たちがビッグクラブでスタメンに名を連ね、チャンピオンズリーグで激突する。そんな夢を語っても、笑われない時代になった。

 そこにひとりでも多くの日本人選手が加わっていけるように、ケガなく今シーズンをしっかり戦ってもらいたい。

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