欧州組日本代表の「将来性ナンバーワン」は久保建英か?冨安健洋か?

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 ドイツのブンデスリーガでプレーする日本人選手で、いまもっとも注目されているのが、シュツットガルトの遠藤航だ。

 チームは2部から昇格し、遠藤は今季初めて1部を戦っているが、すっかり替えのきかない選手になっている。ボール奪取能力、戦術眼、予測、ポジショニング、ボールを奪ったあとに前線にパスをつなげられる......。彼のよさを挙げたらキリがない。

 ただ、彼がブンデスリーガで高い評価を集めているのは、昨日今日の成長だけに理由があるのではなく、湘南ベルマーレ在籍時から海外移籍を視野に向けた準備をし、長い時間をかけてステップアップしてきた成果もあるだろう。

 少し気の早い話になるが、遠藤に関しては今シーズン後にどんなステップアップを踏むのか楽しみにしている。若い選手ほど市場価値の高まる傾向のなかで、すでに27歳の遠藤を評価するビッグクラブが現れるのか。いまのプレーぶりを踏まえれば、ブンデスリーガの上位クラブから声がかかっても不思議はないと思う。
 
 今季からブンデスリーガでプレーする堂安律は、1部昇格したビーレフェルトに移籍したが、これは出場機会を増やすことができる目処があったからだろう。昨季はオランダのPSVで出番に恵まれなかったが、今季はコンスタントに出場しながら、要所で持ち味を発揮している。フローニンゲン(オランダ)在籍時の2018-19シーズンの勢いを取り戻しつつあるように感じる。

 バイエルン戦ではゴールも決めたが、あの右足でのゴールからは堂安が苦しんだ日々でつかんだものを垣間見た気がする。

 堂安は右サイドからカットインして左足を振り抜くゴールを得意にしているが、彼の左足を相手DFもケアしている。ただ、このゴールで相手からすれば堂安の右足もケアしなければいけなくなった。右足の精度をさらに高めていくことで、堂安の持ち味である左足がさらに輝くことを期待している。

 欧州リーグでステップアップを狙う選手が、最初に門戸を叩くリーグとなっているベルギーリーグには、日本人選手が数多くプレーしている。

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