南野拓実、序列低下。ライバル覚醒で挽回のカギは「MF」のような動き (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 加入当初、ジョタの立ち位置はウインガーのバックアッパーだった。だが、サウサンプトンからリバプールへの移籍を機に、一気にワールドクラスへ進化したサディオ・マネのように大化けする可能性はある。それほどの勢いが、今のジョタには感じられる。

 一方、公式戦2試合連続で出番のなかった南野拓実は、さらに厳しい状況となった。ここまで4−3−3のCF、つまりフィルミーノのバックアッパーという位置づけだったが、ジョタの台頭で序列は3番手に低下した。

 ならば、トップ下を配する4−2−3−1ではどうか。10月31日のプレミアリーグ・ウェストハム戦では試合途中に4−3−3から4−2−3−1へ切り替えたが、ベンチから呼ばれたのは南野ではなく、ジェルダン・シャキリだった。

 そのスイス代表が、ウェストハム戦ではジョタの決勝点をアシスト。出場した試合では常に鋭い動きを見せており、このトップ下の序列でも、南野はジョタとシャキリの下の位置につけていると見ていいだろう。

 ジョタが覚醒し、シャキリは復調した。それと対照的に、南野が調子を落としている点は気がかりだ。

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 では、挽回するためのポイントはどこにあるか----。

 筆者が思い出したのは、アシスタントコーチとしてクロップの右腕を務めるペピン・リンダースの言葉だ。南野について「リバプールのなかで最も攻撃的なMF」と語り、次のように言葉をつないだ。

「いつも中盤から驚くような動きを見せる。フィルミーノのように、我々のプレーを組織的なものにしてくれる」

 37歳のオランダ人コーチの発言を聞いた時は「MFの位置づけなのか?」と少しばかり驚いた。リバプールで、南野はFW登録。FWとして認識しているのか、あるいはMFの認識なのか。ちょっと困惑したが、おそらくアピールポイントはこのあたりになるのだろう。

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