大暴れ悪童フットボーラー3人。本当にあった蛮行・愚行・乱行の数々 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by AFLO

 ダボの件によりマンチェスター・Cを追われたバートンだったが、移籍先のニューカッスル・ユナイテッドでも激昂しやすい性格は変わらず。

 2008年11月のブラックバーン戦では、モアテン・ガムスト・ペデルセンのみぞおちを拳で強くパンチ。このシーンを見逃していた主審から状況を問われると、バートンは軽く触っただけと主張してその場をやり過ごした。だが、のちにビデオで確認したFAから制裁を受け、3試合の出場停止に。

 暴力をふるっただけでなく、卑怯な嘘までついたバートンには、さらにヒールのイメージが定着。しかし、それでも懲りないバートンは翌月のリバプール戦でもフェルナンド・トーレスと言い争い、自らの股間を握って挑発を繰り返していた。

 極めつきは、クイーンズ・パーク・レンジャーズの主将として出場した2011-12シーズンの最終節における乱行だ。

 古巣マンチェスター・Cとの一戦の後半、マークしていたカルロス・テベスにひじ打ちを見舞って主審からレッドカードを提示されると、近くにいたセルヒオ・アグエロを力任せに蹴り、それを止めに入ったヴァンサン・コンパニにもヘッドバットを食らわせようとした。これにより、FAはバートンに12試合の出場停止処分を下している。

 ただし、現役の晩年には性格も丸くなり、トラブルの元となっていた酒を絶った。最近はニーチェらの言葉を用いた哲学的なツイートをつぶやくなど、やんちゃ坊主から思慮深い大人に成長している。

 そんなバートンはプレミアリーグで計6枚のレッドカードを受けたが、最多の8枚を提示された3人のうちのひとりがダンカン・ファーガソンだ。彼こそが、ピッチ上の行為によって監獄に送られた英国唯一のプロフットボーラーである。

 スコットランド出身の長身FWはレンジャーズに在籍していた1994年4月、レイス・ローバーズのSBジョン・マクステイに頭突きを見舞う。その衝撃で、相手の唇はざっくり切れてしまった。

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