南野拓実の問題点をイギリス人記者が指摘。ベストポジションはどこか (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 ただ、(身体の)線の細い南野に、この役割を求めるのは酷だろう。得意としているとは思えないからだ。プレスで敵に寄せていくのはうまいが、ボール保持時にガツンと敵に当たられると、もろさが出る。

 問題は、フィルミーノに合ったポジションと役割を、そのまま南野に当てはめていることだ。これでは、日本代表は輝けない」

 ノースクロフト記者は、「南野のベストポジションはトップ下」と主張する。「プレースタイルから考えれば、中盤中央の1.5〜2列目がベストだろう。最前線に陣取るフィルミーノの後方、つまりトップ下から前方に飛び出していくタスクを与えれば、南野のよさは生きる」と力を込めた。

 だが、ここにも障壁がある。リバプールの基本形は4−3−3。トップ下を配する4−2−3−1は、あくまでもオプションに過ぎないからだ。

 ならば、4−3−3の両翼での起用はどうか。このポジションは、モハメド・サラーとサディオ・マネがレギュラー。ここに、移籍市場でポルトガル代表FWのディオゴ・ジョタが新たに加わった。ノースクロフト記者は言葉を続ける。

「ポルトガル代表FWは、リバプールで最高のスタートを切った。サポーターはすでに彼に興奮している。ジョタが、いずれサラーやマネのような存在になると考える者さえいる。

 クロップ監督も、彼のダイナミックなプレーを気に入っている。すでに3ゴールを決め、パフォーマンス自体もいい。両翼は、ジョタが控えのなかでファーストチョイスだろう。つまり、両翼での南野の序列は低下したということだ。ジョタの加入は、南野にとって痛かった」

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 4−3−3のCFでは、南野の持ち味は生かしにくい。しかも、フィルミーノと同じタスクをこなしていては、ブラジル代表FWを超えていくことも難しい。4−3−3システムにおけるCFの役割は、あくまでもフィルミーノのプレースタイルに合わせて作られたものだからだ。

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