次回は招集? 乾貴士、中島翔哉...
代表に呼ばれなかった欧州組の現在

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 今夏、エイバルにローン移籍した武藤嘉紀は、第3節アトレティック・ビルバオ戦の試合終盤にデビューを果たすと、続くエルチェ戦では2トップの一角として初先発。そしてバジャドリード戦では乾との縦関係を形成して、1トップとして2試合連続のスタメン出場を飾っている。

 そのバジャドリード戦は、味方選手が退場処分を受けた影響もあって後半76分にピッチを退いたが、持ち前のスピードは相変わらずで、プレー時間を重ねるごとにラ・リーガに順応しつつある。ゴール前への入り方も悪くなく、シュートが枠を捉えられるようになれば待望の移籍後初ゴールも遠くないだろう。

 岡崎の回復具合にもよるが、この調子で試合に出場し続ければ、11月は武藤が層の薄い1トップの候補として代表に招集される可能性は十分にある。

 移動制限など外的要因によって10月の招集がかなわなかったのが、ロシアのロストフに移籍した森保ジャパンの常連ボランチ橋本拳人だ。

 7月にFC東京からロシアに旅立った橋本は、開幕戦のタンボフ戦の終盤にデビューを果たすと、以降の2試合も連続途中出場。そして初スタメンを飾った第4節のウファ戦では4-2-3-1のダブルボランチの一角を担当し、79分に左からのクロスをヘッドで叩き込むと、これが決勝ゴールとなって勝利に貢献した。

 橋本は、続くウラル戦の後半48分から出場してコーナーキックから決勝ゴールを記録すると、第9節のアルセナル・トゥーラ戦では2ゴールをマーク。コーナーキックから決めた2点目は決勝ゴールになるなど、一躍主役の座を奪取し、元ロシア代表の名手ヴァレリー・カルピン監督の信頼を勝ち取っている(第11節には今シーズン5得点目を記録)。

 橋本が11月の代表ウィークに招集されるかどかは今後の感染状況次第ではあるが、森保ジャパンの重要戦力であることに変わりはなさそうだ。

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 橋本と同様に、セルビアのパルチザンでプレーする浅野拓磨も、新型コロナウイルスの影響により10月の招集リストから外れた選手のひとりだ。

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