2020.10.09

早くもチェルシーの中心。カイ・ハフェルツの凄さはじわじわ来る

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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 チェルシーは今季、かなり積極的な補強をした。昨季、補強禁止措置をとられていた反動というわけではないだろうが、ハフェルツ、ヴェルナー、ジエクのほかにもベン・チルウェル(イングランド)、チアゴ・シウバ(ブラジル)、エドゥアルド・メンディ(セネガル)を獲った。昨季ブレイクさせた若手もいる。プレミアリーグは補強が成績に直結する傾向のあるリーグだけに、チェルシーへの期待は大きい。

 フランク・ランパード監督は21歳のハフェルツを信用しているようで、先発で使いつづけている。開幕戦こそ存在感が薄かったが、第4節のクリスタル・パレス戦では早くも中心選手になっていた。

 ハフェルツのプレースタイルにはアグレッシブさがない。ハードワークしている印象がないので、この点は英国のファンからのウケはよくないかもしれない。比較されているエジルもアーセナルで大活躍していた時でさえ、「怠惰」という批判はつきまとっていた。また、これは長身の技巧派につきものの批判とも言える。

<長身の技巧派はじっくり理解される>

 ハフェルツはあまりスプリントしないし、鋭いプレーがない。けっこう動いているのだが、一生懸命やっているように見えない。同じトップ下でも、マンチェスター・ユナイテッドのブルーノ・フェルナンデス(ポルトガル)とは対照的だ。

 ブルーノ・フェルナンデスは「やってる感」が凄い。実際、運動量も多く、攻守のあらゆる場面に顔を出して解決していくし、タックルもバンバンやる。うまいだけでなく、闘うプレーヤーであり、英国人はこういう選手が大好きだ。

 それに比べると、ハフェルツはあまりにも淡々としている。怠けているわけではないのだが、プレースタイル的に「やってる感」を出しにくいタイプと言える。190㎝近い長身なので、クイックな動作が少ないのも淡泊な印象を与える。足は速いほうだと思うし、リーチがあるので球際もけっこう強いのだが、いかんせん力闘型ではない。